前回は、店舗や会社のロゴやWEBサイト、販促物に関するデザイン制作をデザイナーに依頼するときの、「問い合わせの方法」をご説明させていただきました。
なぜ、「何のためにデザインをつくるのか?依頼するのか?どうなりたいのか?(目標)」を理解したうえで、デザイナーに問い合わせるかと言うと、詳しい情報や目標をデザイン事務所や制作会社に伝えることで、よりスムーズなやりとりや、希望通りのデザインに仕上げることができるからです。
今回は、具体的な【頼み方のコツ】について、現役のデザイナーが分かりやすく解説していきたいと思います。
まず、打ち合わせ(ヒアリング)を行う前の問い合わせの際に、下記内容をデザイナーに伝えておくことをオススメします。
CONTENTS
(1)好きなデザインやイメージ
好きな雰囲気や世界観、レイアウトやフォント、写真の使い方など、希望のイメージに合ったビジュアル表現をできるだけ詳しく伝えましょう。その際、言語化が難しい場合は、「あの商品パッケージのような」、「無印良品のような空気感」、「あの映画の雰囲気」など、共通にイメージできる内容であれば問題ありません。
経験豊富なプロのデザイナーであれば、複数の情報からニーズを汲み取って反映できます。
(2)過去の制作物
リニューアルであれば過去につくったロゴや名刺、チラシなどがあればデザイナーと共有しましょう。そうすることで「店のオープンが迫っていて急遽、自分でつくったロゴなので今度はちゃんとしたロゴをつくりたい」や「オープンチラシを近所に手配りしたが、あまり反響がなかった」などの、デザインに関するお互いの共通認識が深まり、希望通りで且つより反響のあるデザイン制作が可能となります。
(3)デザイン会社との連絡方法
デザインの確認や見積もりなど、希望の連絡方法を伝えましょう。具体的には、メールやチャット、zoomやGoogl MeetのWEBツールなど、ストレスのないお互いの環境に合ったツールを使うようにしましょう。
以上、(1)〜(3)の抑えておくべき内容を、打ち合わせ(ヒアリング)の前にデザイナーに伝えることによって、よりスムーズな打ち合わせが行うことが可能です。
詳細な事前の問い合わせの次は、具体的にどういった物をつくりたいかの打ち合わせ(ヒアリング)が始まります。
打ち合わせでは依頼者の機微を感じとったり、詳細なデザイン内容やイメージを汲み取る必要があるので、直接会って行うことがベストですが、スケジュールの都合などで予定が合わない場合は、zoomなどのビデオ通話や電話、メールなどでも打ち合わせ可能です。
中には、ロゴデザインなどの場合、オリジナルヒアリングシートをご用意されているデザイン事務所もあります。
ただ、ロゴであれば今後何十年と使用する可能性がありますので、メールや電話ではなく極力会って、愛着を持って長年使える希望通りのロゴデザインを制作しましょう。
愛着を持って長年使えるロゴデザインをつくるには、下記記事をご参考ください。 2020.12.29 前回は、お店や会社のロゴ制作を依頼するときに、まずは「ロゴ制作の費用相場について」ということを詳しくお話しいたしました。
第2回目の今回は...
一生モノのロゴ制作【デザイン会社に依頼した方がいい理由】
その打ち合わせが一通り終われば、次は実際にデザイン制作を開始していきます。
デザイン制作では、制作するデザインに必要な情報をリサーチしたり、ペルソナやコンセプトを考えたり、下書き状態のデザイン(ラフデザイン)を作成したりと、様々な工程が必要になってくるので、制作期間が1〜3ヶ月かかる場合や、数年にわたる場合など制作物によって変わってきます。
必要に応じて短いスケジュールや納期を設定することも可能ですが、特急料金など別途発生したり、希望通りではないデザインが完成したりとストレスを感じることも非常に多いです。デザイン制作を依頼するには余裕を持ったスケジュールで依頼するようにしましょう。
デザインが完成し、最初の提案が始まります。
ここでデザインへの検証や調整、修正などが繰り返され、希望に近いデザインをつくり上げて行きます。
お互いに納得のできるデザインが完成するまで、徹底的に話し合い調整していきましょう。
ただし注意しなければいけないのが、打ち合わせの内容と大きく変わったり、何度も理不尽など修正が繰り返されると、場合によっては別途修正料金が発生する可能性があります。
それを防ぐためにも、しっかり打ち合わせ(ヒアリング)をし、お互い気持ちよく希望のデザインを制作しましょう。
デザインを依頼するときの注意点は、下記記事をご参考ください。 2020.12.02
前回は主に店舗や会社の独立時に必要な販促物などを、プロのデザイナーに「デザインを依頼するときの流れ」について解説させていただきましたが、...
デザイナーへの頼み方【デザインを依頼するときの注意点】
最後に「入稿・納品」ですが、通常の場合は印刷物かデータ納品で行われます。 2020.12.17 前回は「制作会社や広告代理店などにデザイン費用の料金表がない理由」について解説しました。デザインによって作業量や必要なスキル・経験、...
現物の印刷物で納品するチラシや名刺では、印刷方法などによって金額が異なる場合がありますが、デザイン事務所や制作会社は、依頼者が求めている必要な販促や広告物しか提案しないので、最適な宣伝方法を一緒に考えてくれます。
限られた予算内で希望するデザインをつくってくれるデザイナーを探すには、下記記事をご参考ください。
限られた予算内で希望するデザインを制作してくれる【あなたにピッタリなデザイナーの選び方】
以上、基本的なデザイン制作の流れは、具体的な問い合わせから始まり、その後に打ち合わせ(ヒアリング)、デザイン制作、提案・調整・修正、入稿・納品と続きます。
問い合わせや打ち合わせの時点で必要な情報をしっかりと伝えておくことで、不要な修正の繰り返しを防ぐことができ、希望のスケジュールでの納品が実現し後々の別途修正料金も発生しません。
その為にも、デザイン事務所にデザイン制作を依頼する前に、一連の流れを頭に入れておくといいでしょう。
京都のデザイン事務所「チバデザイン」では、ロゴや名刺・オリジナルTシャツ・WEBサイトなど幅広いデザイン制作を承っております。
店舗や会社に必要なデザイン制作に悩んだら、些細なことでも結構ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

デザイナーへの依頼時・発注時に気をつけておかなければいけない事を知るには、過去記事「フリーランス・制作会社へのデザイン依頼【トラブル10選】」参照。